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作品コメント
大型の台風が接近する夜、義博と母親は、二人きりで家に籠っていた。激しい風雨の中、突然の停電が訪れ、家は絶対的な暗闇と恐怖に包まれる。
暗闇の中、互いを求め、不安を紛らわすために体を寄せ合う母と息子。しかし、日常から切り離された極限状況は、視覚以外の感覚を鋭敏にさせ、単なる慰めだったはずの抱擁は、次第に官能的な熱を帯びていく。恐怖は本能的な欲望へと姿を変え、二人は理性の箍を外し、暗闇を言い訳に互いの体を貪り合った。
やがて嵐は過ぎ去るが、母と息子の間には、停電の夜に生まれた、決して光の下には出ることのできない、重く背徳的な秘密だけが残されるのだった。
総字数 約3000字
※パッケージ画像のみAI使用
―――
(試し読み1)
ぱちん、という乾いた音と共にすべての光が消えた。絶対的な静寂と暗闇が家の中を支配する。「大丈夫。ママがいるから」震える声で、母親は息子の耳元で囁いた。義博は、母親のその言葉と、自分を包み込む温かい腕に安らぎを感じた。しかし、暗闇は感覚を異常に鋭敏にさせる。鼻腔をくすぐるのは、母親から香る、甘く、そして生々しい女の匂いだった。
(試し読み2)
暗闇の中、二人の間にはいつしか言葉が消えていた。外の嵐の音に混じって、互いの熱い吐息だけが、やけに大きく聞こえる。義博は、母親の体を抱きしめる腕に、無意識のうちに力を込めていた。恐怖を紛らわすためではない。ただ、この温かさを、この柔らかさを、もっと確かめたいという、抗いがたい衝動に駆られていたのだ。不安を紛らわせるための抱擁は、濃密な愛撫へと変わっていった。
(試し読み3)
暗闇の中、手探りでその場所を探し当てると、硬く張り詰めた自身の中心を、その入り口に押し当てる。母親は、抵抗するどころか、まるでそれを待ちわびていたかのように、自らその腰を浮かせて受け入れた。熱く、濡れた場所が、ゆっくりと、しかし確実に、彼のすべてを飲み込んでいく。二人は、そのあまりに背徳的な結合に、同時に、深く息を吐いた。



